若手芸術家奨励制度

若手芸術家奨励制度は、日本美術協会の活動の趣旨に添い、世界文化賞の一環として、次世代を担う才能の育成を目的に、1997年発足いたしました。選考は国際顧問が順次担当し、毎年、世界文化賞の受賞者と同時に発表されます。対象となった団体・個人は一年以内に有意義な計画を実行することを条件に、奨励金が贈られます。

奨励制度の目的/若手芸術家の活動、行動計画を援助し、奨励することを目的とする。

奨励の対象/若手芸術家を育成、援助している団体の活動、または若手芸術家の団体、あるいは個人の芸術活動。活動内容はプロ、またはプロをめざす者とする。

対象者の選考/その年の世界文化賞受賞者発表を主宰する国際顧問がその推薦委員会と協議、選考し、日本美術協会の了承を得る。

奨励金/毎年500万円を上限とする。対象者が複数の場合は適正に配分する。

対象者の義務/奨励金を受けた団体、個人は奨励金を直接芸術活動のために使い、その活動についての報告を日本美術協会に提出し、協会はこれを「年間報告書」に掲載する。


第12回
イタリア青少年オーケストラ
選考担当:ランベルト・ディーニ国際顧問(イタリア)

  イタリア青少年オーケストラは、フィレンツェ市街を見下ろす丘の街、フィエーゾレにあるフィエーゾレ音楽学校に所属し、プロのオーケストラ演奏者を養成するための訓練部門だ。
  フィエーゾレ音楽学校は1974年、著名なビオラ奏者ピエロ・ファルッリがグループで演奏することを教育の基本方針に創立。その後、オーケストラでの演奏を訓練する部門ができ、1984年にリッカルド・ムーティの指揮による演奏会で、イタリア青少年オーケストラとして正式に発足した。
  毎年行なわれるオーディションに合格した、18歳から27歳までの70~90人がこのオーケストラで2年間、個人指導も含めて様々な訓練を受ける。受講料、寮費、食費は無料。最高20%までは欧州連合加盟国以外の出身者の参加が可能で、昨年10月からは奈良出身の24歳の日本人女性が初めてこのオーケストラに入り、オーボエ奏者として学んでいる。
  音楽学校のオーケストラ担当教官、ニコラ・パツコウスキの他に、世界的指揮者もこの訓練に協力し、ムーティはじめクラウディオ・アバド、ルチアーノ・ベリオ、ズービン・メータ、クシシュトフ・ペンデレツキなどがこれまで指導に当たっている。   訓練期間中、欧州各地でのコンサートツアーや、一流オーケストラとの共演も行ない、欧州内での評価も高い。アンドレア・ルッケシーニ芸術監督によると、この20年間で、1000人以上のイタリア青少年オーケストラ出身者が、イタリアとヨーロッパ各地のオーケストラでプロの演奏者として活躍している。
  フィエーゾレ音楽学校は財団組織で、3歳から大人までの基本を学ぶ部門、上級の特別部門(24コース)、イタリア青少年オーケストラを3本柱とし、計1300人が所属している。アドリアーナ・ヴェルキアーニ校長によると、年間予算は400万ユーロ(6億4000万円)で、フィレンツェの金融法人、トスカーナ州政府、国の文化保護省、フィレンツェ県、フィレンツェ市、フィエーゾレ市からの補助金や民間からの寄付金で賄っている。今回の奨励金は、オーケストラの学生のための施設、サービスの向上に使うという。