レム・コールハース 建築を語る
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--高松宮殿下記念世界文化賞 受賞記念講演会--2003年10月24日 16:00〜17:30 於:鹿島KIビル
  皆さんようこそ。私は再び来日できてとてもわくわくしています。景気回復の兆しもありますので、90年代のはじめにスタートした「福岡ネクサス」の仕事が続けられるようにと願っています。

はじめに
  今日は、最近の作品をご紹介するつもりですが、その前に世界の状況についても少しお話したいと思います。9.11(セプテンバー・イレヴン)は大変重大な出来事でした。初めは、文化や政治制度にかかわりなく、世界中に等しく影響を与えたようです。重大な出来事という点では世界のコンセンサスがあり、一時はある程度の連帯感も生れたと思います。しかし周知の通り、色々なことが起こり、特に、多分、イラク戦争のためにその連帯感は揺らいできました。

  9.11については、何が起こったのか、その後どう変化していったのか、色々な見方ができると思います。アメリカが言うように、世界を変えた悲劇と考えることもできますし、皮肉で言うのではありませんが、別の可能性を開いたとみることもできるのです。
  2001年以前は、アメリカとヨーロッパにはある種自然な、口に出すことはありませんが、無意識ともいえる連帯感がありましたが、アジアは別の領域でした。今では、事件が起きれば、ヨーロッパにもアジアにも影響を及ぼすのは当然であり、さらにその結果として、両者に連帯感が育ち、関係も強固になるとさえ言えると私は思います。

  EUは疑いもなく、確実にそして組織的に東に向かって拡張を続けており、加盟国はどんどん増え、ボーダーラインはロシアにシフトするでしょう。ロシアがこの10年、あるいは15年の間にEUの一員になる可能性も想像に難くありません。その時には、ヨーロッパとアジアが国境を接します。そして、ヨーロッパと中国が直接つながるという新しい状況は、とても興味深いことです。世界がどのように考えるのか、かなりの影響を与えると思います。

  ご存知と思いますが、特にこの5年間、私たちのオフィスは研究・調査と理論構築を積極的に行い、同時にもちろん建築の仕事もしてきました。2001年以降は、政治的な状況だけでなく、私たち自身の状況もすっかり新しくなりました。といいますのは、私たちはいくつもの非常に大きなプロジェクト・シリーズに携わってきましたが、それらが完成しつつあります。私たちにはビルを建てるという自信、それも理論的にインパクトのあるビルを建てるという自信があります。最新の仕事をご紹介するために、まず竣工したものばかりの建物、あるいは竣工間近な建物を4つ簡単にお見せします。それから中国に話しを移して、中国という国にインパクトを与え、幸いにも実現したアイディアについてお話します。


©The Sankei Shimbun 2003


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