シンディ・シャーマン

Cindy Sherman

プロフィール

  1980年代、自らを被写体としてさまざまな人物に変身させ、映画のワン・シーンを思わせる白黒写真作品《アンタイトルド・フィルム・スティル》で一躍注目を浴びた。周到なロケハンや周囲の環境も創出して写される自画像的写真はコンセプチュアル・アートとして位置づけられる。作品制作はアシスタントを使わず、すべて一人でこなす。ホラー映画などの映像作品も撮る。「グロテスク」とも評される作品も多く、見る側の議論を呼ぶが、「見る人がそれぞれ違うストーリーを思い浮かべてくれることこそ、私の願うこと」と歓迎する。2012年にMoMAで大規模回顧展を開催。2015年にはマリア・カラスが使用した衣装をまとい、オペラ映画『プリマドンナ』に出演。今年は5年振りの新作として、1920年代の女優に扮した写真20点を二カ月で制作、発表した。

詳しく

  1980年代、自らを被写体としてさまざまな人物に変身させ、映画のワン・シーンを思わせる白黒写真作品《アンタイトルド・フィルム・スティル》で一躍注目を浴びた。周到なロケハンや周囲の環境も創出して写される自画像的写真はコンセプチュアル・アートとして位置づけられる。
 幼少時はアートに対する関心が薄かったが、兄と姉がくれたパステルで描いた絵はうまく、着飾ることも「お姫さまや花嫁やバレリーナより、モンスターや老女に変身するのが好きだった」と振り返る。
 ニューヨーク州立大バッファロー校に進み、美術部油絵科で学んだが、そこで写真の探求に時間を割くようになる。子供の頃から好きだった「メークをし、他人になりきること」を記録するように勧められ、変身した自分を撮り始めた。
 「私の作品は自画像でないというのは、私自身は何も自分を表現していないから。映画や劇場で俳優たちが役を演じるのと同じことをやったまで。自分自身を表現するつもりは全くなかった」と語る。
 「一人なら完璧に自由。必要なことは何でも邪魔されずに自分の意志でできる」と、作品制作にはアシスタントを使わず、すべて一人でこなす。
 ホラー映画などの映像作品も撮る。「グロテスク」とも評される作品も多く、見る側の議論を呼ぶが、「見る人がそれぞれ違うストーリーを思い浮かべてくれることこそ、私の願うこと。制限をつけずに、どうとでも解釈できるようにしている」と言う。
 2012年にMoMAで大規模回顧展を開催。2015年にはマリア・カラスが使用した衣装をまとい、オペラ映画『プリマドンナ』にも出演した。
 2012年以来、次作を何にするか迷い、自分を他の人物に変身させた写真の撮影は行っていなかったが、今年になって、5年振りに、1920年代の女優に扮した作品20点を二カ月ほどで制作。最新技術の染色精製プリント法で、アルミ板に写真を直接プリントして発表した。
 「私くらいの年齢になると歳がもろに出てしまう。しかし、そのことから目を背けることもできない。それで、1920年代の映画のキャラクターたちがそのまま歳をとったらこうなる、と考えることにした」と制作意図を説明する。
 普段は、ニューヨーク・マンハッタンのビルの最上階にあるアトリエで制作し、野球場程の広大な庭園に囲まれたロングアイランドの邸宅で、5羽の鶏と暮らす。

略歴

  1954 アメリカ・ニュージャージーに生まれる
  1976 ニューヨーク州立大学バッファロー校卒業
  1977-80 《アンタイトルド・フィルム・スティル》シリーズ
  1981 《センターフォールド》シリーズ
  1983-84 《ファッション》シリーズ
  1985 《フェアリーテール》シリーズ
  1986-89 《ディザスター》シリーズ
  1987 ニューヨークのホイットニー美術館で回顧展
  1989-90 《ヒストリー・ポートレイト》シリーズ
  1992 《セックス・ピクチャー》シリーズ
  1994-96 《ホラー・ピクチャー》シリーズ
  1996 東京都現代美術館などで『シンディ・シャーマン』展
  1997 ホラー喜劇映画『オフィスキラー』で映画初監督
MoMAに《アンタイトルド・フィルム・スティル》全作がコレクション購入される
  1999 ハッセルブラッド国際写真賞
《ブロークン・ドールズ》シリーズ
  2000 《ハリウッド・タイプ》シリーズ
  2012 MoMAで大回顧展開催
初めてデジタルで顔の造作の改造を試みる
  2016 2012年以来の新作写真発表(染色精製メタル・プリント)