ジュディ・デンチ

Judi Dench

プロフィール

  
20代からシェイクスピア演劇を学び、舞台、映画、テレビで数々の大役を務めてきたイギリスを代表する女優で、悲喜劇、古典・現代劇を問わない実力派。1957年にオールド・ヴィック座の『ハムレット』オフィーリア役で舞台デビュー。『ロミオとジュリエット』(1960)のジュリエット役のヒットで英演劇界に躍り出た。1961年から歴史ある劇団「ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー」に参加。1960年代半ばから映画にも意欲をみせ、『恋におちたシェイクスピア』(1998)でアカデミー賞助演女優賞を受賞。1995年からは、007シリーズのジェームズ・ボンドの上司M役で出演、国際的な人気を得た。今年11月から撮影が始まる007新作にも出演。1988年には長年の女優としての活動が評価され、英女王から「デイム」(男性のナイトに相当)の称号を与えられた。

詳しく

 20代からシェイクスピア演劇を学び、舞台で数々の大役を務めてきたイギリスを代表する女優。近年はテレビや映画でも存在感を示し、悲喜劇、古典・現代劇を問わない実力派として、「英国の人間国宝」とも称えられる。
イギリス・ヨーク生まれ。兄の影響でロンドンの名門演劇学校に入り、舞台の道を目指すようになる。1957年、オールド・ヴィック座で『ハムレット』のヒロイン、オフィーリア役を演じ舞台デビュー。1960年にフランコ・ゼッフェレッリが舞台演出家としてデビューした『ロミオとジュリエット』で演じた初々しいジュリエット役は絶賛され、大女優として成長するきっかけにもなった。61年に、名俳優を生み出してきた歴史ある劇団「ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー」に参加し、以降、『十二夜』のマリア、『夏の夜の夢』のハーミア役などで次々にスポットライトを浴びた。
さらに、ナショナル・シアターなどでの古典劇で実力を発揮する一方、ウエスト・エンドの舞台も経験。英演劇人の憧れのローレンス・オリヴィエ賞を7回受賞し、1988年にはケネス・ブラナーの要請で『から騒ぎ』の演出デビューもはたすなど、イギリス演劇界でその地位を不動のものとした。
1960年代半ばからはテレビドラマや映画の出演もこなし、『眺めのいい部屋』(1986)などで英アカデミー賞を計6回受賞。1995年からは、007シリーズでジェームズ・ボンドの上司M役として出演、国際的な人気を得た。
「権力はとても魅力的。Mはデスクに座り何でも分かっていて、ボンドに命令を下す。私からはかけ離れているので、演ずるのは楽しい」
これまでオスカー(アカデミー賞)に6度ノミネートされ、エリザベス一世を演じた『恋におちたシェイクスピア』(1998)では、短い出演(8分間)ながら助演女優賞を受賞した。
1971年に俳優仲間のマイケル・ウィリアムズ(2001年死去)と結婚。1970年と1972年、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの公演で来日した。一人娘のフィンティ(38歳)も女優として活躍中。
007シリーズの新作撮影を11月に控えるほか、クリント・イーストウッド監督がメガホンを取る、米連邦捜査局(FBI)初代長官の伝記映画(米国で年末公開)に、レオナルド・ディカプリオが演じる長官の母親役で出演する。
「54年の役者人生、どんな役も自分の芸域を広げてくれた。引退はまったく頭にない。100回は演じたクレオパトラ役をもう一回やりたい」と、ますます意欲満々だ。

 

略歴

  1934  

イギリス、ヨーク生まれ

セントラル演劇・映像部門学校で学ぶ

  1957   『ハムレット』(オールド・ヴィック座)のオフィーリアでデビュー
  1960  

『ロミオとジュリエット』のジュリエット役で絶賛される

  1964  

『サード・シークレット』で映画界に進出

  1966  

『Four in the Morning』で英国アカデミー賞新人賞

  1970  

ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの公演で初来日(1972年再来日)

  1986  

『眺めのいい部屋』で英国アカデミー賞助演女優賞

  1988  

英国王室よりデイムの称号授与

  1995-   『007ゴールデンアイ』以降007シリーズのM役で人気を得る
  1997   『Queen Victoria 至上の恋』でゴールデングローブ賞主演女優賞(ドラマ部門)
  1998  

『恋におちたシェイクスピア』でアカデミー賞助演女優賞

  1999  

『Amy’s View』でトニー賞

  2001   『アイリス』で英国アカデミー賞主演女優賞
  2011  

『ジェーン・エア』に出演

クリント・イーストウッド監督作『J・エドガー』に出演