クリスチャン・ツィメルマン

Krystian Zimerman

プロフィール

 ポーランド出身。7歳から本格的にピアノを学び、18歳で「ショパン国際ピアノコンクール」で優勝。翌年、レコード・デビューして以降、ヘルベルト・フォン・カラヤン、小澤征爾ら多くの巨匠と共演。指揮者で作曲家のレナード・バーンスタインとは15年以上にわたる交流があった。ショパン没後150周年(1999年)の前年には、ポーランド出身の音楽家で編成した「ポーランド祝祭管弦楽団」を結成。ベートーヴェン生誕250周年(2020年)には、この楽聖のピアノ協奏曲を全曲再録音した。1978年以来、たびたび来日し、2021年12月のサントリーホールにおける公演が日本での275回目の公演となった。2003年には東京にも自宅を構えたほどの親日家。「ピアニストは楽器に興味をもつべきだ」が持論。自ら調律し、組み立てるなどピアノのメカニズムや音響学に精通し、作品解釈を極めることが、精緻で繊細な演奏を支えている。

詳しく

 ピアノという楽器を熟知した、緻密で完璧な演奏により、多くの巨匠たちと共演してきた現代最高峰のピアニスト。
 ポーランド生まれ。音楽家だった父親が友人らと毎晩、音楽に興じるのを聴いて育った。5歳からピアノの手ほどきを受け、「6歳の頃、テレビで自作曲を披露したこともあった」という。7歳でポーランドのピアニスト、アンジェイ・ヤシンスキに師事し、本格的に音楽を学んだ。
 1975年、弱冠18歳で由緒ある「ショパン国際ピアノコンクール」で優勝。「いまだに信じられない」と振り返る。
 翌年、名門レーベル「ドイツ・グラモフォン」からレコード・デビューを果たし、ヘルベルト・フォン・カラヤン、レナード・バーンスタイン、小澤征爾ら多くの巨匠と共にすばらしい音楽を作り上げてきた。
 「人生で出会ったもっとも興味深い音楽家」と評する指揮者で作曲家のバーンスタインとは15年以上にわたり、たびたび共演。2018年のバースタイン生誕100周年の際、彼の交響曲第2番『不安の時代』を世界の主要都市で演奏。これは、「100歳の誕生日に一緒に演奏してほしい」というバーンスタインの“願い”をかなえたものだった。
 ショパン没後150周年(1999年)の前年には、ポーランド出身の音楽家で編成した「ポーランド祝祭管弦楽団」を結成するなど、ショパンのピアノ協奏曲の公演を精力的に行った。
 また、ベートーヴェン生誕250周年の2020年には、指揮者のサイモン・ラトルと共に、この楽聖のピアノ協奏曲を全曲再録音した。
 「他人を評価することはできない」と、コンクールの審査員は固辞。ただ、ショパン国際ピアノコンクールでは、2010年からソナタ最優秀演奏賞(ツィメルマン賞)のプレゼンターを務めている。
 1981年の戒厳令の発令に伴い、故郷を離れ、スイスへ。1978年以来、たびたび来日し、日本公演は250回を超える。大の親日家で、「互いを尊重し、共に生きる日本の社会は、世界ではまれな存在。日本に最大の敬意を払う」と話し、2003年、東京にも自宅を構えた。
 「ピアニストは楽器に興味をもつべきだ」が持論。自ら調律し、組み立てるなどピアノのメカニズムや音響学に精通し、これが精緻で繊細な演奏を支える。「ピアノが大好き。健康が許す限り、音楽を続けたい」と、意欲的に世界を飛び回っている。

略歴

  1956 ポーランド・ザブジェ生まれ
  1961 5歳の頃より父親からピアノを学ぶ
  1962 ザブジェで初のコンサートを開く
  1963 テレビ番組で自身の作曲作品を演奏
カロル・シマノフスキ音楽院でアンジェイ・ヤシンスキに師事
  1975 第9回ショパン国際ピアノコンクール優勝、ボロネーズ/マズルカ最優秀演奏賞、ソナタ賞、コンチェルト賞同時受賞
  1976 フレデリック・ショパンのワルツをドイツ・グラモフォンで初録音
  1977 カロル・シマノフスキ音楽院卒業
ストラヴィンスキー:バレエ『結婚』をレナード・バーンスタインと録音
  1978 初来日公演
  1980 ザルツブルク聖霊降臨祭音楽祭でヘルベルト・フォン・カラヤンと共演
  1981 スイスへ移住
  1985 キジアーナ音楽院最優秀若手音楽家賞(イタリア)
  1986 リスト『ピアノ協奏曲第1番・第2番』、『死の舞踏』を小澤征爾指揮ボストン交響楽団と録音
  1988 ザルツブルク音楽祭でオーストリア放送交響楽団とルトスワウスキ『ピアノ協奏曲』初演
  1990 バーンスタイン指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団との共演でベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲録音
  1991 ピエール・ブーレーズ指揮クリーヴランド管弦楽団、ロンドン交響楽団とラヴェルのピアノ協奏曲録音
指揮者としてパドヴァ・ヴェネト管弦楽団とイタリア10都市にて公演
  1992 リンカーンセンター・エイブリー・フィッシャーホールでアメリカ100回目のコンサート
  1994 レオニー・ソニング音楽賞(デンマーク)
  1995 ピエール・ブーレーズ指揮シカゴ交響楽団とバルトークのピアノ協奏曲録音
  1996 バーゼル音楽院にて自らのクラスを持つ
  1998 ショパン没後150周年記念で若手奏者から成る「ポーランド祝祭管弦楽0団」を結成
小澤征爾指揮でラフマニノフの録音
  2005 レジオンドヌール勲章シュバリエ(フランス)
カロル・シマノフスキ音楽院名誉博士
  2006 ポーランド文化功労章グロリア・アルティス・ゴールドメダル
  2008 新潟県中越沖地震復興祈念チャリティー・コンサートを開催、義援金を寄付
  2010 ヨーロッパと日本でショパン生誕200年記念リサイタル
ショパン国際ピアノコンクール「ソナタ賞」プレゼンター
  2013 ポーランド復興勲章星付きコマンドール十字勲章
国際現代音楽祭「ワルシャワの秋」
  2015 フレデリック・ショパン音楽アカデミー名誉博士
  2016 25年振りのソロアルバム、シューベルト『ピアノ・ソナタ第20番・第21番』を新潟・柏崎で録音
熊本地震復興祈念特別演奏会の出演料を寄付
  2017-18 レナード・バーンスタイン生誕100周年記念コンサート(15都市)
  2019 日本・ポーランド国交樹立100周年記念ポーランド芸術祭2019 in Japan
  2020 ベートーヴェン生誕250周年記念で、サイモン・ラトル指揮ロンドン交響楽団とピアノ協奏曲全曲再録音